レンタルオフィスを基盤に独立

以前、1年間ほどレンタルオフィスを契約していたことがあります。きっかけは会社を辞めて独立することになったため、です。長年の夢だったライターの仕事で食べていくことにしたんです。それに当たって、気合いを入れるためにも仕事場が欲しかったんですよ。かといって、事務所用の物件を借りるほどお金の余裕はなく、かといって通常のワンルームマンションだと「家にいるのと変わらない」と思ったのです。お金をそこまでかけなくても、でも家とは違う緊張感を保てる場所、と考えた結果、知人がレンタルオフィスを借りて仕事をしていたことを思い出して訪ねてみました。想像していたよりも綺麗でびっくりしました。そこは主にクリエイターの人たちが借りているレンタルオフィスでした。イラストレーターやウェブデザイナーがシェアして使っているため、全体的にお洒落です。知人もフリーのウェブデザイナーなんですが、馴染んでました。とにかく「楽しい」ということでした。フリーになるとどうしても「1人でいる時間」が長くなってしまうから、ある程度人の出入りがありながらもプライバシーも確保されているレンタルオフィスは「仕事が捗る」んだそうです。それですっかり感化されて、私も自宅からほどよく離れた場所(近すぎると出勤時にダラダラしてしまいそうなので)にレンタルオフィスを借りました。とてもよかったです。私が借りたのは知人ほどお洒落なところではありません。それでも真新しい、こじんまりとしたビルで居心地(働き心地)はよかったです。個室でもよかったのですが、それよりはもう少し「空気の流れ」が欲しかったので、パーティションで区切れたタイプのものをチョイスしました。これが良い意味の緊張感を生んでくれたと思います。以前の会社は、オフィスの雰囲気が嫌、とかで辞めたわけではないので、みんなで働いてる感は好きなんです。しかもそれぞれが違う仕事を持って、黙々と働く=自分もがんばらなきゃ、って思えるのです。まあ駆け出しでしたから、あんまりオフィスにはいなかったんですけど、持ち帰った情報を記事にまとめるのにはすごく良い場所でした。パーティションで区切られているだけだから、顔もまあまあ合わせるし、話もするんですけど、すごく親しくなったりとか、馴れ合いにはならないところも、スタートアップの人たちには良いのではないかと思います。ストイック過ぎず、でも緩すぎず。レンタルオフィスの魅力はそこかなと。私は幸い(?)1年で事務所を借りる余裕が出来たのでレンタルオフィスは卒業しましたが、あの場所で働いた日々は忘れられません。独立の、大切な基盤になったと思います。